ランブック【runbook】

概要

ランブックとは、システムの運用・保守において繰り返し発生する作業手順をまとめた文書。「手順書」「オペレーションマニュアル」とも呼ばれ、担当者が変わっても同じ品質で作業を実施できるよう、操作の流れが具体的に記述されている。
ランブックのイメージ画像

ランブックには、システムの起動や停止、バックアップ、障害発生時の確認手順や復旧方法など、日常運用から非常時対応までの具体的な手順が記述される。操作コマンドや確認項目、判断基準が順序立てて示されるため、運用品質が担当者の経験やスキルに依存しにくくなる。

各手順には実行するコマンドや確認すべきログ、判断基準などが明記されており、経験の浅い担当者でも迷わず作業を進められるよう設計される。運用担当者が交代した場合や緊急時でも、一定の品質で作業を実施できるようになる。対応内容のばらつきを抑え、人的ミスの発生を低減する効果もある。

ランブックの形式は組織やシステムによって異なるが、一般的には「前提条件」「手順」「確認項目」「トラブルシューティング」といった構成で整理されることが多い。作業の開始前に満たすべき条件を明示し、手順を順番どおりに実行したうえで、最終的に期待どおりの状態になっているかを確認する流れが基本となる。

クラウド環境や大規模分散システムの普及に伴い、ランブックは手動作業の指針にとどまらず、自動化ツールと連携する形でも用いられるようになっている。例えば、手順をスクリプトオーケストレーションツールに組み込み、定型作業を自動実行するケースがある。このような運用では、ランブックは自動処理の設計資料としても扱われる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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