モバイルデータ通信【cellular data communication】
概要
モバイルデータ通信は携帯電話キャリアが設置した基地局との無線通信を介して行われる。端末は最寄りの基地局と接続し、キャリアのコアネットワークを経由してインターネットや専用回線網に接続する。利用可能なエリアは基地局の設置状況によって決まり、都市部と山間部や地下では接続品質に差が生じる。
接続するには機器本体内にモバイルデータ通信用の機能と通信キャリアとの契約が必要だが、モバイルルータ(ポケットWi-Fi)やスマートフォンのテザリング機能を使えば、モバイルデータ通信機能を持つ機器が中継機器となって、周囲にあるパソコンや携帯ゲーム機など他の端末を接続することができるようになる。
歴史
通信規格は世代ごとに進化しており、1990年代のGSMやPDCなど第2世代(2G)では音声通話中心で数十kbpsのデータ通信が可能だった。2000年代初頭のW-CDMAやCDMA2000など第3世代(3G)では数Mbps程度の速度を実現し、iモードやSMS、インターネット電子メールなど通話以外のデータサービスの普及に繋がった。
2010年代のLTEやLTE-Advancedなど第4世代(4G)では下り最大数百Mbpsの高速通信が可能となり、スマートフォンによるアプリ利用、動画閲覧、パソコンと遜色ないインターネット利用が一般的となった。2020年代から普及が進む5Gでは理論上最大20Gbpsの速度と低遅延を実現し、4Kライブ配信や遠隔制御など新たな用途への対応が進んでいる。
サービス
日本では、自前の通信設備を持つ事業者(VNO:狭義のキャリア)であるNTTドコモ、au(KDDI/沖縄セルラー)、ソフトバンク、楽天モバイルによるサービスと、これらの事業者から設備を借り受けたMVNO事業者が自社ブランドで提供するサービスが存在する。後者はVNOよりも格安のプランや、自社サービスと連携した特色あるサービスを提供している。
各事業者はデータ通信量(1か月に送受信可能なギガバイト数で表される)に応じた料金プランを提供しており、月間のデータ使用量が一定量を超えると通信速度が制限される仕組みが一般的となっている。端末に挿入する微小なICカードである「SIMカード」や、これをソフトウェア的に実装した「eSIM」(組み込みSIM)によって契約情報が端末に登録され、端末はこの情報をもとにキャリアネットワークへの接続認証を行う。
