読み方 : メトカーフのほうそく
メトカーフの法則【Metcalfe's law】
メトカーフの法則とは?

この法則の背景にあるのは、接続の組み合わせ数が利用者の増加に伴って急速に膨らむという単純な数理である。電話機が2台なら通話の組み合わせは1通りだが、4台では6通り、10台では45通り、100台では4,950通りと急激に増えていく。
あるネットワークへの参加者数をnとしたとき、成立しうる接続数は n×(n−1)÷2 で表され、n2に比例してネットワーク全体の価値が向上していく。参加者が増えるほど、各個人がやり取りできる相手や情報の組み合わせが飛躍的に広がることを示した法則である。
ネットワーク型のシステムやサービスは利用者が少ない段階では利便性は限られるが、ある規模を超えると価値の増大が急激になり、新たな利用者をさらに引き寄せる循環が生まれる。誰も使っていないSNSには価値がないが、友人や知人の多くが参加しているSNSはそれだけで高い価値を持つ。先行するサービスが市場を独占しやすく、後発が追いつきにくい構造もここから生じる。
ただし、この法則はあくまで単純化されたモデルである。現実には、利用者が増えすぎると情報過多や混雑によって利便性が下がる場合もある。また、利用者にとってすべての接続相手が等しい価値を持つわけではなく、「頻繁にやり取りする重要な相手」と「知らない相手」の価値は同一ではない。
メトカーフ自身は、接続の組み合わせ数に「利用者あたりの価値」という係数を掛けたモデルを提唱しており、この係数は利用者が増えるほど減少していくため、単純に2乗に比例して増大し続けることはないと指摘していた。アンドリュー・オドリツコ(Andrzej Odłyżko)らは、接続先が増えるほど接続あたりの価値が逓減していく修正案として、n2 ではなく nlog(n) に比例するモデルを提唱している。