ミーム【meme】
概要

語源は生物学者のリチャード・ドーキンス(Clinton Richard Dawkins)氏が1976年の著書『The Selfish Gene』(邦題:利己的な遺伝子)で提唱した “meme” という概念である。氏は文化的情報が人から人へと模倣によって伝播・複製される様子を、遺伝子(gene)になぞらえてこの語を作った。インターネットの普及とともに、この語はオンライン上で拡散するコンテンツを指す言葉として定着した。
ミームには流行語やメロディ、習慣、ファッションなどが含まれ、人々の記憶や行動を通じて伝播する。あるミームが広まるかどうかは、覚えやすさや共感のしやすさ、繰り返しやすさ、文脈に応じた翻案のしやすさなどの要因に影響される。時間の経過とともに内容が変化することも多く、元の形から派生した多様なバリエーションが生まれる。
インターネットの普及により、ミームはオンライン上で急速に拡散するようになった。画像や動画、短文などがSNSや掲示板を通じて共有され、多数の利用者によって改変や再投稿が行われる。いわゆる「インターネットミーム」(ネットミーム)は特定の表現や構図をもとに新たな内容が付加される形で広がる。拡散の速度や範囲は従来の口頭伝承よりも大きく、短期間で世界的に共有される事例もある。
いわゆる「コピペ」との違い
なお、日本では「ミーム」という用語が普及する以前から、掲示板などで特定のフレーズをそのまま、あるいは文脈に応じて部分的に改変して再投稿する行為を、「コピペ」と呼んでいた。パソコン上での文字列の複製操作「コピー&ペースト」に由来する俗語で、文字によるやり取りが中心だった1990年代後半~2000年代前半に確立したネット文化の一つである。現代では画像や動画の作成や投稿が以前より手軽になったこともあり、同じ曲のダンス動画の投稿が流行するなど、直接的な複製に依らないネットミームも増え、いわゆるコピペはミームの一形態となっている。