マスマーケティング【mass marketing】

概要

マスマーケティングとは、市場全体を単一のターゲットとして捉え、テレビや新聞、ラジオ、雑誌などのマスメディアを通じて不特定多数の消費者に同一のメッセージを大量に発信するマーケティング手法。大量生産・大量販売と組み合わせて効率的に普及を図る考え方である。
マスマーケティングのイメージ画像

消費者一人一人の違いよりも、多くの人に共通する需要や関心に注目するマーケティング手法である。例えば、日用品や食品、家庭向け家電のように、幅広い層が利用する商品では、様々な消費者の需要を満たす最大公約数的な商品を大量生産し、全国向けのテレビCMや新聞広告、店頭展開などを通じて広く認知を高める方法が取られてきた。

マスマーケティングは、20世紀中盤のマスメディアの発達と大量生産・大量消費社会の拡大とともに広く普及した。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアは不特定多数に同時に情報を届けるのに適しており、この手法と相性がよかった。企業にとっては、同じ広告表現を広範囲に繰り返し届けることでブランド認知を高めやすく、新商品の普及や定番商品の地位確立に有効であった。

これに対して、特定の属性や関心を持つ層に絞って訴求する方法は「セグメントマーケティング」や「ターゲットマーケティング」と呼ばれる。近年では、インターネット広告や会員データの活用により、個人や小集団に合わせた訴求がしやすくなり、マスマーケティング一辺倒ではない運用が一般化している。しかし、現在でも知名度を一気に高めたい商品や、広い層に共通して必要とされる商品・サービスでは有効な考え方であり、ブランド戦略の基盤として他の手法と併用されることも多い。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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