マスカスタマイゼーション【mass customization】
概要
マスカスタマイゼーションとは、大量生産のコスト効率を維持しながら、個々の顧客の要求に合わせた製品やサービスを提供する生産・販売方式。画一的な大量生産と個別受注生産の双方の利点を組み合わせた概念である。

従来の製造業では、コストを下げるには規格品を大量に作る「マスプロダクション」(大量生産)が基本であり、個別仕様への対応である「カスタマイゼーション」は高コストで少数生産に限られていた。マスカスタマイゼーションはこの二者択一を克服する考え方である。
実現手段として代表的な手法の一つに「モジュール化」がある。製品をあらかじめ独立した部品単位(モジュール)に分割し、顧客が組み合わせを選択することで多様なバリエーションを生み出す。米デル(Dell)社が1990年代末に確立したパソコンの受注生産モデル(BTO方式)はその初期の代表例で、CPUやメモリ、ストレージなどを顧客が選択して注文すると、選択された構成に従って組み立て、出荷する仕組みである。
ネットサービスの分野では、ストリーミングサービスのレコメンデーション、ECサイトのパーソナライズ表示、ニュースアプリのフィード最適化、SNSのタイムライン最適化なども広義のマスカスタマイゼーションとして捉えられる。これらは利用者の行動履歴や属性データをアルゴリズムで処理することで、大量の利用者の一人一人に個別に最適化されたコンテンツを自動的に提供する。