読み方 : ポートフォリオず
ポートフォリオ図【portfolio chart】
ポートフォリオ図とは?
二つの評価軸を設定した平面上に複数の対象を配置し、その相対的な位置関係を視覚的に示した図表。縦軸と横軸にそれぞれ異なる評価基準を設定し、各項目をその交点にプロットすることで、全体の分布や偏りを一目で把握できる。

ビジネス分析でよく用いられる使い方として、市場成長率と市場占有率を二軸に取り、自社の製品や事業を分類する手法がある。各事業が四つの領域のいずれかに位置づけられ、投資すべき分野や撤退を検討すべき分野が一目で判別できる。各対象は点で表すことが多いが、円で表してその大きさによって売上規模といった第三の情報を重ねて示すこともある。
この図法は、限られた経営資源をどこに優先配分するか判断する際に特に有用とされる。個々の事業を単独で評価するだけでなく、全体のバランスを俯瞰することで、特定領域への偏りや将来の収益を支える芽の有無を確認できる。数値の羅列では見えにくい構造が平面上に浮かび上がるため、関係者間で共通認識を形成する際にも有効に機能する。
IT分野では、リスクマネジメントにおいて、業務への影響度と技術的な更新必要性、あるいはリスクの発生確率と被害の深刻さを軸にして、対応の優先順位を整理する際に用いられることが多い。情報セキュリティの「リスクマトリクス」もこの図の一形態であり、脅威の可視化と対策立案を支える。
軸の設定や評価基準の選び方によって図の見え方は大きく変わる。恣意的な基準を用いれば特定の結論に誘導する図になりうるため、前提データの妥当性には慎重な検討が必要である。また、二軸では表現しきれない複合的な要因が捨象されることもあり、あくまで意思決定を補助するツールとして扱い、他の分析や現場の実情と合わせて判断することが求められる。