読み方 : ボイスコッドせいきけい

ボイスコッド正規形【BCNF】Boyce-Codd Normal Form

概要

ボイスコッド正規形とは、リレーショナルデータベース(RDB)でデータ冗長性や不整合を排除した正規形の一つで、関数従属性に基づいて冗長性や更新異常を防ぐための厳密な構造条件を定めたもの。第三正規形をさらに厳格にした正規形である。
ボイスコッド正規形のイメージ画像

この形式の基本的な要件は、ある表に存在するすべての非自明な関数従属性において、その決定項が必ずスーパーキーであることである。関数従属性とは、ある属性集合の値が決まると別の属性の値が一意に定まる関係を指し、スーパーキーとは行を一意に識別できる属性集合である。この条件を満たすことで、キー以外の属性が別の属性を決定する状態を排除し、データの重複や整合性低下の原因となる構造を避けることができる。

第三正規形では推移的従属を排除するが、特定の条件下では部分的な冗長性が残る場合がある。ボイスコッド正規形はこの点をさらに厳密に扱い、すべての決定関係をキーに集中させることを要求する。同じ情報を複数行に重複して保持する可能性が低下し、更新、挿入、削除に伴う不整合の発生確率が抑えられる。

この形式を厳格に適用しようとすると、もともと維持すべきであった制約が複数のテーブルに分かれてしまい、チェックが複雑になる場合もある。また、抽出処理などで結合操作が増え、性能が低下することもある。実務においては、システムやデータの特性に応じて、第三正規形に留めるかボイスコッド正規形まで進めるかの判断が必要となる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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