ペルソナ法【persona method】
概要

1998年にアメリカの著名なソフトウェア開発者、アラン・クーパー(Alan Cooper)氏が著書『The Inmates Are Running the Asylum』(邦題:コンピュータは、むずかしすぎて使えない!)の中で提唱した手法で、ユーザー調査で得たデータをもとに「名前・年齢・職業・生活習慣・目標・課題・行動パターン」などを持つ架空の人物像「ペルソナ」(persona)を作成する。これは単なる統計的なユーザー属性の平均値ではなく、実在するかのように具体的に描写することで、チームメンバーが共通の人物像を思い浮かべやすくする。
作成されるペルソナには通常、氏名や顔写真(風のイラスト)、年齢、居住地、職業、家族構成といった基本属性に加え、製品に関連する行動、利用シーン、達成したい目標、感じているフラストレーションなどが記述される。例えば、ECサイトの開発であれば「週3回スマートフォンで買い物をする35歳の共働き主婦」のように具体的な人物像として定義する。
実務では複数のペルソナを作成し、それぞれの優先順位を決めることが多い。最も重視するユーザー像を「プライマリーペルソナ」、副次的なものを「セカンダリーペルソナ」と呼び、設計上のトレードオフが生じた際にどのペルソナを優先するかの判断基準として使われる。
ペルソナはユーザーインタビューやアンケート、行動ログ、フィールド調査などの定性データや定量データを根拠として作成することが推奨される。データの裏付けなく作成された「想像上のペルソナ」は設計者の思い込みを反映しやすく、実際のユーザー行動と乖離するリスクがある。
UXデザインの文脈では、ペルソナを「カスタマージャーニーマップ」(customer journey map)と組み合わせて使うことも多い。ペルソナが「誰か」を定義するのに対し、カスタマージャーニーマップでは、そのペルソナが製品やサービスと接触する一連の体験の流れを可視化する。