プローブカー【probe car】
概要

GPSによる位置情報や走行速度、時刻などを継続的に取得し、移動体データ通信網(携帯電話網)などを通じて管理システムへ送信する。多数の車両から集まったデータを統計的に処理することで、渋滞の発生箇所や所要時間を推定できる。
ワイパーの作動状況から降雨の有無を推定したり、急ブレーキや急ハンドルの記録から路面の危険箇所を特定したりするなど、走行に関わる様々なセンサーデータが交通情報の生成に利用される。こうして得られる情報は「プローブデータ」と呼ばれ、渋滞情報の配信や経路探索、道路整備の効果測定、災害時の通行可能ルートの把握などに活用されている。
従来の交通情報収集は、道路に埋め込んだ車両感知器や路側のカメラによる定点観測が中心であった。センサーが設置された主要道路以外の情報は取得が難しく、提供できる情報の範囲に限りがあった。プローブカー方式では実際に走行している車両がデータ源となるため、感知器のない県道や市町村道を含む広い範囲の道路状況を把握できる。ただし、走行車両が少ない路線や時間帯ではデータが不足し、情報の精度が下がることがある。
現在では専用機器を搭載した特定車両だけでなく、通信機能付きカーナビを搭載した一般車両や、ナビアプリを起動したスマートフォンを持つドライバーも何らかの形でプローブカーとして機能している。自動車メーカーやカーナビ事業者、地図事業者などが独自にデータ収集基盤を構築している。データは自動で収集され、個人を識別できないよう匿名化処理が施された上で活用される。自動運転やコネクテッドカーの普及に伴い、より高精度な地図情報のリアルタイム更新や交通流の最適化を支える基盤技術として利用されている。
(2026.7.16更新)