プライバシー【privacy】
プライバシーとは?
私生活上の事柄を本人の意思に反して公開されない権利、および自分に関する情報の収集・利用・共有を本人がコントロールする権利のこと。文脈によっては他者から干渉を受けない私的な領域そのものを指す場合もある。

プライバシーの対象となる情報は、氏名や住所、生年月日といった基本的な個人情報の他に、家族関係や健康状態、思想信条、通信内容なども含まれる。IT分野では、Web閲覧履歴、検索履歴、位置情報、購買履歴、SNSへの投稿、生体認証データなど、個人の特定や行動の追跡に結びつくあらゆるデータが対象となる。
プライバシーと個人情報は混同されやすいが、同一の概念ではない。個人情報が特定の個人を識別できる情報を指すのに対し、プライバシーは個人が他者に干渉されたくない私的な領域や利益全般を含む。氏名などの個人情報を含まない行動履歴や趣味嗜好であっても、本人の望まない形で公開されればプライバシーの侵害とみなされる場合がある。
プライバシーの考え方は19世紀末の米国における法学研究などを通じて発展したとされる。当初はマスメディアによる有名人の私生活の扇情的な報道や干渉を防ぐことが主な関心事だったが、コンピュータの処理能力の向上とインターネットの普及により、その意味合いは大きく変容した。大量の個人データが瞬時に収集・蓄積・分析され、本人の知らないところでプロファイリングが行われるといったデジタル特有のリスクが生じたためである。
こうした状況を受け、各国では法整備が進んでいる。日本では個人情報保護法が個人情報の取り扱いを律し、EUではGDPR(EU一般データ保護規則)が域内で収集されるデータに厳格な制限を課している。これらはいずれも、情報主体である本人が自分のデータに対して一定の権限を持つという考え方を根拠としている。