フォグ【fog】

概要

フォグとは英語で「霧」を意味する単語。一般には、大気中の水蒸気が微細な水滴となって地表付近に漂い、視界が遮られる気象現象を指す。ITやゲームなど複数の専門分野でも独自の意味で使われる。

気象学では、視程が1キロメートル未満になった状態を指し、それ以上の視程は「もや」(ミスト)として区別される。航空や船舶の運航に影響を与えることから、気象情報での重要度が高い。

日常的には、物事の先行きが見えない状態や思考が明確にまとまらない様子を比喩的に表す語としても用いられる。軍事分野の「フォグ・オブ・ウォー」(戦場の霧)、コロナ後遺症の「ブレインフォグ」などの用例があり、状況把握が困難な状態を意味する慣用表現として定着している。

フォグコンピューティング

IT分野では、クラウドコンピューティングを補完する分散型の処理方式を指す語として使われる。遠隔のデータセンタークラウド)に対し、利用者や端末に近い中間層サーバで処理を行う仕組みを「フォグコンピューティング」(fog computing)と呼ぶ。

特にIoT分野で用いられる構成で、センサーなどの装置が生成したデータクラウドへすべて送るのではなく近傍で処理することで、通信遅延を短縮しネットワーク全体の帯域消費を抑えられる。自動運転や工場の産業用ロボット、スマートシティの監視システムなど、即時性が求められる場面での導入が進んでいる。

画像・映像のフォグ表現

写真・映像の分野では、画面全体が白く濁りコントラストが低下した状態を指す。レンズへの光の乱反射やフィルムの予期せぬ感光が原因となる場合のほか、フォグフィルターなどで意図的に演出する場合にもこの語が使われる。映画やポートレート撮影で幻想的な雰囲気を出す手法として知られる。コンピュータグラフィックスでは、遠くの物体を霧に包まれたように見せる描画効果を指し、奥行きの表現や描画負荷の軽減を目的として、ゲームや映像制作で広く活用されている。

(2026.7.10更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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