フィードフォワード【feed forward】

概要

フィードフォワードとは、システムやプロセスにおいて、現在の状態や入力に基づいて将来の動作や出力を事前に調整する制御手法のこと。制御対象の変化を予測して操作を加えることで、目的の結果に近づける。
フィードフォワードのイメージ画像

制御工学の分野では、フィードフォワード制御はセンサーなどで測定した入力信号をもとに、制御量を前もって調整する方式を指す。例えば、温度の制御装置において外気温や加熱装置の設定を測定して、目標温度に達する前に加熱量を変更する制御が行われる。単純なフィードバック制御だけでは遅れが生じる状況で応答時間を短縮できる。

機械学習人工知能の分野では、ニューラルネットワークの構造の一つに「フィードフォワードネットワーク」(順伝播ネットワーク)がある。入力層から出力層に向かって信号が一方向に伝播し、各層で重み付けされた演算を行う構造である。この場合、誤差は後段で計算されるが、出力の生成は順方向の計算のみで進む。画像認識音声認識などの予測処理に応用される。

ビジネスや教育の場でもフィードフォワードの概念が応用されることがある。プロジェクト管理では、進行中の作業や条件をもとに次の行動をあらかじめ調整する手法を指すことがある。教育分野では、学習者の現状に応じて次の課題や指示を前もって与えることをフィードフォワードと呼ぶことがある。いずれの場合も、事後の修正ではなく、先を見越した調整や対応を行う手法のことを意味する。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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