パワーオンリセット【PoR】Power-on Reset

概要

パワーオンリセットとは電子機器やコンピュータに電源を投入した際、内部回路が自動的にリセット信号を発生させ、システム全体を初期状態から起動させる仕組み。パソコンやスマートフォン、家電製品、組み込み機器など、様々な電子機器に組み込まれている。
パワーオンリセットのイメージ画像

電源を入れた直後、供給電圧は瞬時に規定値へ達するわけではなく、短時間かけて徐々に上昇する。この不安定な状態でCPUメモリが動作を始めると、命令の誤実行や内部状態の乱れが生じる可能性がある。

パワーオンリセット回路は電源電圧を監視し、一定の基準値に達するまでリセット信号を保持することで、回路の動作開始を遅らせる。電圧が安定したと判断された時点でリセット信号が解除され、CPUはあらかじめ定められたアドレスから命令の実行を開始する。そこにはファームウェアBIOS/UEFI)などの起動プログラムが配置されており、メモリや周辺機器の初期化を経てオペレーティングシステム(OS)の起動へと進む。

この仕組みは電源投入時だけでなく、瞬電や急激な電圧低下が発生した際にも作動する。電圧が正常範囲を下回ると即座にリセット状態となり、電圧回復後に再度初期化を実行する。これにより、システムの暴走やデータの破損を防ぐことができる。パワーオンリセット回路は専用のICとして外付けされる場合と、マイコンなどの内部に内蔵される場合があり、しきい値電圧や遅延時間は用途に応じて設定される。

(2026.7.12更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。