パワーオンリセット【PoR】Power-on Reset
概要

電源を入れた直後、供給電圧は瞬時に規定値へ達するわけではなく、短時間かけて徐々に上昇する。この不安定な状態でCPUやメモリが動作を始めると、命令の誤実行や内部状態の乱れが生じる可能性がある。
パワーオンリセット回路は電源電圧を監視し、一定の基準値に達するまでリセット信号を保持することで、回路の動作開始を遅らせる。電圧が安定したと判断された時点でリセット信号が解除され、CPUはあらかじめ定められたアドレスから命令の実行を開始する。そこにはファームウェア(BIOS/UEFI)などの起動プログラムが配置されており、メモリや周辺機器の初期化を経てオペレーティングシステム(OS)の起動へと進む。
この仕組みは電源投入時だけでなく、瞬電や急激な電圧低下が発生した際にも作動する。電圧が正常範囲を下回ると即座にリセット状態となり、電圧回復後に再度初期化を実行する。これにより、システムの暴走やデータの破損を防ぐことができる。パワーオンリセット回路は専用のICとして外付けされる場合と、マイコンなどの内部に内蔵される場合があり、しきい値電圧や遅延時間は用途に応じて設定される。
(2026.7.12更新)