バンドパスフィルタ【BPF】Band Pass Filter

バンドパスフィルタとは?

特定の周波数帯域の信号だけを通過させ、それ以外の周波数の信号を遮断する電子回路や信号処理の仕組み。音響処理や無線通信など様々な分野で利用されている。
バンドパスフィルタのイメージ画像

バンドパスフィルタには「パスバンド」(通過帯域)と呼ばれる、信号を通す周波数の範囲が設定されている。この範囲の下限を「下側カットオフ周波数」、上限を「上側カットオフ周波数」といい、両者の差を「バンド幅」(帯域幅)と呼ぶ。この幅が広いほど多くの周波数成分を通し、狭いほど特定の周波数に絞り込んだ信号だけを取り出すことができる。

フィルタの性能を示す指標として「Q値」(quality factor:品質係数)がある。この値は中心周波数を帯域幅で割った値であり、数値が大きいほど急峻な選択特性をもち、目的の周波数を精度よく抽出できる。ラジオ受信機が、ある放送局の電波だけを選び出せるのも、高いQ値を持つバンドパスフィルタによるものである。

回路構成の面では、コイル(インダクタ)とコンデンサを組み合わせた「LC回路」による実装と、演算増幅器(オペアンプ)と抵抗、コンデンサを用いた「アクティブフィルタ」による実装が広く用いられている。LC回路は高周波領域での使用に適しており、アクティブフィルタは低周波から中周波帯での設計自由度が高い。

デジタル信号処理の分野では、入力データに対して係数を用いた演算を行うことで同様の周波数選択が行われる。ソフトウェアや専用の電子回路として実装され、フーリエ変換や畳み込み演算などを組み合わせて実現される。FIR(有限インパルス応答)型やIIR(無限インパルス応答)型などの種類がある。

応用分野としては、無線通信で特定のチャンネルだけを受信する処理や、音声信号から不要な低周波雑音や高周波ノイズを除去する処理が挙げられる。また、生体信号の解析では心電図や脳波の特定周波数帯を抽出するために利用される。画像処理やセンサー信号の前処理でも用いられ、必要な成分のみを取り出して後続の解析や検出を行いやすくすることができる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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