ハイパーケア【hypercare】

概要

ハイパーケアとは、システムや製品の導入、本番稼働­開始の直後に設ける集中的なサポート期間のこと。移行後に発生しやすいトラブルや問題に迅速に対応するための特別な支援体制を指す。
ハイパーケアのイメージ画像

システムの本番稼働の直後は、テスト環境では想定しきれなかった問題が顕在化しやすい時期である。実際のデータ量や利用者数、業務フローのもとで初めて明らかになる不具合、利用者の操作に起因するエラー、既存システムとの連携における予期しない挙動など、様々な問題が集中して発生する。ハイパーケア期間はこうしたリスクを見越して、通常のサポート体制よりも手厚い対応を一定期間提供するために設けられる。

ハイパーケアの具体的な内容は案件や契約によって異なるが、一般的には、システム開発・導入を担当した事業者や社内IT部門エンジニアが現場に常駐または待機し、問題発生時に即座に対応できる体制を整えることが多い。サポートデスクの対応時間を延長したり、インシデント対応の優先度を通常より高く設定したりすることもある。利用者からの操作に関する問い合わせに答えるトレーニングサポートを並行して提供する場合もある。

ハイパーケア期間の長さはシステムの規模や複雑さによって異なり、短い場合では数日の場合もあるが、一般的には数週間程度が多く、長い場合で数か月に及ぶ事例もある。期間中はシステムの稼働状況や発生した問題をログとして記録・分析し、再発防止策の検討や通常運用への引き継ぎ資料の整備も並行して行われることが多い。

ハイパーケアはERPシステムの導入やクラウド移行基幹システムリプレースなど、規模や業務への影響が大きいプロジェクトにおいて特に必要となる。本番移行後の不安定な時期を乗り越えて安定稼働へ移行するための橋渡し的な役割を担っており、プロジェクト計画の段階からハイパーケアの範囲・期間・体制をあらかじめ定めておくことが重要とされる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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