ハイパスフィルタ【HPF】High-Pass Filter

概要

ハイパスフィルタとは、電子回路や信号処理において、一定の周波数より高い成分を通過させ、低い周波数の成分を減衰させる装置や処理のこと。音声や映像、電子信号の特定の周波数帯を選択的に扱う際に用いられる。
ハイパスフィルタのイメージ画像

カットオフ周波数」と呼ばれる指定された周波数以下の信号を減衰させ、上回る信号は通過する仕組みで、アナログ回路やデジタル処理の両方で実現できる。アナログ回路では抵抗器やコンデンサを組み合わせた回路(CRフィルタ)がよく用いられる。

デジタル信号処理では、FIR(有限インパルス応答)フィルタやIIR(無限インパルス応答)フィルタとして数値演算でハイパスフィルタを実装する。サンプリングされた信号に対して畳み込み演算を適用することでアナログ回路と同等の周波数選択が行える。

音響の分野では、マイクで収音した音声から低周波のノイズ(エアコンの振動音や風切り音、ステージのハムノイズなど)を除去するためにハイパスフィルタが使われる。DAWソフトや音声編集ツールには「ハイパスフィルタ」または「ローカットフィルタ」として同じ機能のプラグインが標準搭載されていることが多い。

画像処理では、画像の高周波成分は輪郭や細かなテクスチャに対応し、低周波成分はなだらかな明暗の変化に対応する。ハイパスフィルタを適用すると輪郭が強調された画像が得られるため、エッジ検出や画像のシャープネス強調などの用途で使われる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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