読み方 : ネットワークかんり

ネットワーク管理【network management】

ネットワーク管理とは?

企業などの組織が保有するコンピュータネットワークを安定して動かし続けるために行う、監視や運用、保守などの管理活動の総体。ルータネットワークスイッチサーバといった機器の状態を継続的に把握し、問題が生じれば原因を特定して対処することで、通信の停止や遅延を防ぐことを目的とする。
ネットワーク管理のイメージ画像

ネットワーク管理の業務を機能的に分類したモデルとして「FCAPS」があり、障害管理(Fault)、構成管理(Configuration)、課金と計数管理(Accounting)、性能管理(Performance)、セキュリティ管理(Security)の五領域に整理される。障害管理とは、通信の途絶や機器の故障が起きたときに、速やかに原因を突き止めて復旧させる作業である。ケーブルの断線や設定の不備なども対象となる。復旧後は経緯を記録し、同じ問題の再発を防ぐ材料にする。

構成管理では、どの機器がどこに接続され、どのような設定で動いているかを記録し、変更のたびに更新する。この情報が整っていないと、障害発生時の原因特定に時間がかかる。設定ファイルバックアップ構成管理の一部である。課金・計数管理では、ネットワーク利用量の把握、コスト計算、利用制限の実施(クォータ管理)などを行う。

性能管理では、通信速度や応答速度を継続して測定し、特定の回線に負荷が集中していないかを確認する。需要の増加に応じて帯域を増強したり、通信経路を見直したりして、快適な利用環境を保つ。セキュリティ管理は、外部からの不正アクセス情報漏洩マルウェアの感染といった脅威への対策である。ファイアウォールの設定、通信の暗号化アクセス権の制限、ログの監視を組み合わせて実施する。近年は不審な通信を自動で検出して遮断する機能がネットワーク管理ツールと一体化される傾向にある。

これらの業務は専用の管理ソフトウェアを用いて行われることが多い。「SNMP」(Simple Network Management Protocol)と呼ばれるネットワーク管理用の通信規約プロトコル)の標準規格が整備されており、対応する機器の状態を管理端末から一括して収集・制御できる。通信量の履歴を蓄積して将来の設備拡張計画に活かすことも、こうしたツールを通じて行われる。仮想化技術クラウドサービスの普及により、管理の対象は物理的な機器にとどまらず、ソフトウェアで構成された仮想ネットワークにまで広がっている。設定変更が頻繁に発生する環境では、変更履歴の管理や自動検証の仕組みが不可欠となっている。

ネットワーク管理の用語一覧

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。