ネイティブ【native】

概要

ネイティブとは、生来の、出身の、土着の、自然の、先住民、母語話者などの意味を持つ英単語。IT分野では、特定の環境や仕組みに最初から備わっていること、または、その特性に最適化されていることを表す。機器やソフトウェアが、変換や仲介を挟まずにある環境で直に動作する状態などが当てはまる。

一般の外来語としては、日本育ちの日本語話者のように、ある言語を第一言語とする人のことを指すことが多い。IT分野では、これになぞらえて、機器やシステム、データ形式、コンピュータプログラムなどが、ある特定のプラットフォームや環境に直接対応している状態を表す。

ネイティブコード

例えば、「ネイティブコード」(native code)という場合、ある特定のCPUコンピュータの機種、オペレーティングシステム(OS)製品の仕様に適合し、その上で直に実行可能な形式のプログラムコードを指す。仕様に合わせるための変換が必要ないため高速に動作させることができ、その機種が備える機能もフルに活用することができる。

ネイティブアプリ

ネイティブコードで組み立てられたアプリケーションソフトを「ネイティブアプリ」(native application)という。例えば、スマートフォンで動作するアプリのうち、iOSやAndroidといったOSの仕様に合わせ、専用の言語やライブラリなどを用いて開発されたものが該当する。OSや機種固有の機能を呼び出すことができ、動作も軽快である。機種を問わず機能するWeb技術で組み立てられ、Webブラウザなどで動作するWebアプリなどと対比される。

クラウドネイティブ

情報システムの開発・運用の分野では、クラウド環境を前提にシステムを設計・構築する「クラウドネイティブ」(cloud native)という概念が普及している。これは、単に既存のシステムをクラウドへ移動させて適合させるのではなく、最初からクラウドサービスの持つ自動拡張や分散処理などの機能を組み込み、クラウドの利点である拡張性や柔軟性を享受できるように設計されたシステムや運用手法を指す。

デジタルネイティブ

近年では、母語話者の用例に近い概念として「デジタルネイティブ」(digital native)という用語も広まっている。幼少期からインターネットデジタル機器に親しんできた世代を指す表現で、デジタル機器や技術への高い順応性、デジタル環境を前提とした情報の取得・発信の様式、ネットとリアルの境界の薄さなどの特徴があるとされる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。