ドロップキャッチ 【drop catch】
概要
ドロップキャッチ(drop catch)とは、いったん登録されたが更新されずに有効期限の切れたドメイン名を、再登録可能になった瞬間に元の登録者ではない第三者が取得すること。「www.example.jp」といった形式のドメイン名はWeb上の場所を指し示すURLや、電子メールアドレスなどの一部として広く利用されている。インターネット上のドメイン名は他の利用者と重複しないよう管理組織に登録しなければならず、有効な間は登録料を支払い続けなければならない。
覚えやすいドメイン名や短いドメイン名、かつて人気サイトが運営されリンクのたくさん張られたドメイン名などは価値が高いとみなされるため、元の登録者が放棄したり更新手続きを忘れるなどして有効期限が切れると、アフィリエイトサイト運営者やドメイン転売業者などが取得を試みる。
特に、Web検索エンジンのGoogleなどでは外部からのリンクが多いほど信頼性の高いサイトであると判断する傾向がある。検索エンジン最適化(SEO)のために、過去に人気サイトが運用されリンクが集まっている「中古ドメイン」を取得し、元のサイトや所有者とは無関係な事業を展開する手法が広まっている。
ドメイン名ハイジャックなどと異なり、合法かつ資源管理機関の規約にも抵触しない行為であり、形式的には正規の手続きにより取得しているため、うっかり期限が切れたものが第三者に取得されてしまった場合など、所有権をめぐって深刻な紛争に発展することもある。
近年では企業や公的機関がイベントやキャンペーンなどのために使用し放棄されたドメインが再取得され、悪質な業者によって詐欺的な商行為に転用される事例が後を絶たず問題となっている。-2020年代には行政機関などが取得した新型コロナウイルスに関連するドメイン名がサイト運用終了に伴い放棄され、ネット事業者が再利用する事例が急増している。
(2024.9.3更新)