トリプルストア【triple store】
概要
トリプルストアとは、「主語」「述語」「目的語」の3要素の組である「トリプル」という形式を単位にデータを記録し、検索できるようにしたデータベース。例えば、「東京は日本の首都である」という情報であれば、「東京」が主語、「日本」が目的語、「首都である」が述語に当たる。具体的なデータ記述形式としてRDF(Resource Description Framework)を用いることが多い。

トリプルストアが扱うデータは、あらかじめ表の構造を定義しておく必要がない。一般的なリレーショナルデータベース(RDB)が列や行から成る表(テーブル)形式にデータを当てはめて管理するのに対し、トリプルストアは情報同士のつながりをそのまま保持する構造を持つ。このため、データ同士の関係性を扱う処理に適している。
トリプルストアに格納されたデータへの問い合わせを行うために「SPARQL」という専用の問い合わせ言語が考案された。SPARQLを用いると、複数のトリプルを条件として組み合わせ、ある人物が所属する組織や、その組織の所在地といった、複数の関係を辿って情報を取り出すことができる。RDFやSPARQLは標準仕様として整備されており、対応するシステム間でデータや検索方法を共通化しやすい。
個々のデータをトリプルとして記述し、共通の識別子や関係で結び付けることで、データ全体をグラフ構造として表現できる。このため、トリプルストアはグラフデータベースの一種として扱われることが多いが、グラフデータベースはトリプルストアおよびRDF以外の形式でも作られるため、両者は同義語ではない。
トリプルストアの実装には、単独のデータベース製品として提供されるもののほか、既存のデータベースシステムにRDFやSPARQLの機能を追加したものがある。大量のトリプルを保存する場合には、検索条件やデータ量に応じたインデックスの設計が求められる。人物や企業、製品、文献などの実体とその関係を記述したデータの検索などに利用されており、知識グラフの構築やオントロジーを用いたデータ統合、生命科学分野の研究データ統合などにも応用されている。
(2026.9.25更新)