トランスクリプション【transcription】トランスクリプト/transcript

概要

トランスクリプションとは、音声や動画に含まれる発話内容を文字データに変換する処理や作業のこと。日本語では「文字起こし」や「テープ起こし」とも呼ばれる。IT分野では特に、音声認識技術を用いたソフトウェアやクラウドサービスによる自動変換処理を指すことが多い。
トランスクリプションのイメージ画像

会議や講演、インタビュー、電話応対、映像コンテンツなどの音声を文字化する作業で、主に記録や検索、共有を容易にするために行われる。従来は人間が音声を繰り返し聴きながら手動で入力していたため、長時間の音声を書き出すには多くの時間と労力を要していた。

近年は音声認識­技術の発展により、自動化が急速に進んでいる。システムは音声データを解析して音素を識別し、言語モデルと照合しながら最も確からしい単語の組み合わせをテキストとして出力する。最新のシステムでは、話者ごとに発言を分ける話者分離や句読点の自動挿入、フィラーの除去なども実用化されている。

自動化されたトランスクリプション機能の用途として、ビデオ会議の議事録作成や動画コンテンツへの字幕付与、顧客対応記録の保存などがある。ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議サービスは、会議中にリアルタイムで文字起こしする機能を備えている。生成されたテキストは、聴覚障害者向けのアクセシビリティ確保にも活用されるほか、機械翻訳文章要約感情分析といった後段の処理への入力データとしても利用される。

自動化されたトランスクリプションは必ずしも完全ではなく、雑音の多い環境、専門用語や固有名詞が頻出する場面では誤認識が生じやすい。重要な文書や公式記録として使用する場合は、人による確認や修正を加えるのが一般的である。近年の精度の飛躍的な向上にはAI技術の一種であるディープラーニングの進化が大きく寄与しており、多様な発話やノイズ環境でも従来より高い認識率を維持できるようになっている。

(2026.6.6更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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