トライバンド【tri-band】

無線通信では電波の周波数帯域を区分して利用しており、この区分を「バンド」(band)と呼ぶ。対応するバンドの数によって、「シングルバンド」(一つ)、「デュアルバンド」(二つ)、「トライバンド」(三つ)といった呼称が使われる。トライバンドは三つのバンドに対応することを示す表現であり、具体的な周波数の組み合わせは用途や製品によって異なる。
Wi-Fi機器では、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯の三帯域を利用する構成を指すことが多い。また、Wi-FiルータやWi-Fiアクセスポイントでは、2.4GHz帯を一系統、5GHz帯を二系統搭載する構成もトライバンドと表現される。この場合は三種類の周波数帯ではなく、三つの独立した無線ネットワークを同時に提供できることを意味する。
接続端末が多い環境では、一つの帯域に通信が集中すると速度の低下や接続の不安定化が起こりやすい。トライバンドでは周波数帯が三系統に増えるため、端末を各帯域に分散して収容できる。例えば、メッシュWi-Fi環境では、一系統をアクセスポイント間のバックボーン通信に専用し、残りの二系統を端末との通信に充てることで、全体の通信品質を安定させることができる。
携帯電話の分野では、800MHz帯、1.5GHz帯、2GHz帯など複数の周波数帯に対応する端末をトライバンドと呼ぶことがある。異なる通信事業者や国・地域で採用されている周波数帯をカバーする製品で、国際ローミングや海外利用への対応を目的として採用されることが多い。ただし、一般的なスマートフォン製品で「トライバンド」という場合は、Wi-Fi機能が3つの周波数帯に対応していることを意味することが多い。
(2026.6.12更新)