トゥーンレンダリング【toon rendering】セルシェーディング/cel shading

トゥーンレンダリングとは?

3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)をアニメや漫画のような絵柄で描画する技法。写実的な表現を目指さない描画技法の総称「ノンフォトリアリスティックレンダリング」(NPR)の一つに分類される。
トゥーンレンダリングのイメージ画像

通常の3DCGは光の反射や陰影を細かく計算し、現実に近い質感の再現を目指す。トゥーンレンダリングはこれとは逆に、色の変化を数段階に区切って明部と暗部の境界をはっきりと表示する。かつてのセル画アニメで影を2~3段階の色で塗り分けていた手法をデジタルで再現したもので、この陰影の単純化によって立体物でありながらイラストのような平面的な印象を生み出す。

また、通常の3DCGでは物体の外周線を明示しないことが多いが、トゥーンレンダリングでは黒や濃色の線で輪郭を囲み、手描きの主線に近い効果を出す。主な生成方法には二つある。3Dモデルをわずかに拡大したコピーを裏向きに配置して差分を黒く描画する「フロントフェイス・バックフェイス法」と、隣接するポリゴン同士の角度差から境界を算出して線を引く「エッジ検出法」で、用途に応じて組み合わせて使われる。

ゲームや3D映像制作において、親しみやすい雰囲気を演出したい場合や、アニメ風の映像スタイルを打ち出したい場合に用いられることがある。写実的な描写はハードウェアの世代によって古びて見えることもあるが、記号化されたアニメ調の表現は視覚情報が整理されており、時間が経っても魅力が損なわれにくいとされる。

2000年代初頭からゲームに取り入れられるようになった。「ジェットセットラジオ」(2000年/セガ)、「ゼルダの伝説 風のタクト」(2002年/任天堂)、「ドラゴンクエストVIII」(2004年/スクウェア・エニックス)といったタイトルに導入されたことで広く知られるようになり、3Dゲームの表現技法の一つとして定着していった。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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