データファブリック【data fabric】

概要

データファブリックとは、組織内に分散した多様なデータ発生源を統合的に管理・利用できるようにする仕組み。異なるシステムやクラウド環境にあるデータを横断的に結び付け、データ活用を効率化する。
データファブリックのイメージ画像

現代の情報システムでは、業務システム、データベースクラウドサービスIoT機器など、さまざまな場所にデータが分散して存在している。このような環境では、必要なデータを統合的に利用することが難しく、データの所在や形式の違いが分析や活用の障害になることがある。

データファブリックは、こうした断片化した環境において、データの所在や形式の違いを吸収し、利用者やアプリケーションがデータの所在や形式を意識せずに統一的な方法でデータにアクセスできる「織物」(fabric)のように統合された基盤を提供する。

データファブリックは単一の技術やシステムではなく、データ統合、メタデータ管理、データカタログデータリネージアクセス制御データ品質管理などの機能を連携させた仕組みを指す。鍵となるのは「データについてのデータ」であるメタデータの活用であり、どこにどのようなデータが存在するかを自動的に発見・分類・管理することで、検索や再利用を容易にする。

類似する概念として「データメッシュ」(data mesh)がある。「メッシュ」とは「網の目」という意味で、語感がよく似ているが、こちらはデータの所有権を部署ごとに分散させる組織設計上のアプローチである。データファブリックは技術的な統合レイヤーの提供に重点を置く点で異なっており、両者は対立する概念ではなく補完的に組み合わせて採用されることもある。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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