読み方 : デジタルちょう
デジタル庁【Digital Agency】
デジタル庁とは?

主な業務は、マイナンバー制度の運用・普及、政府情報システムの標準化、国と地方自治体のデジタル基盤整備である。「ガバメントクラウド」と呼ばれる政府共通のクラウド基盤を整備し、各省庁のシステムを共通インフラ上に集約することで、コスト削減と運用の効率化を目指している。また、行政手続きのオンライン化やワンストップ化、一度提出した情報を再提出せずに済む「ワンスオンリー」といった仕組みも推進している。
マイナンバーカードの普及もデジタル庁の重要な施策の一つである。取得促進策を展開するとともに、健康保険証や運転免許証との一体化を進め、カードの活用場面を広げてきた。医療情報の共有や行政コストの削減への波及効果も期待されており、カードを起点に行政サービスの利便性を高める取り組みが続いている。
組織運営では、IT企業などで実務経験を積んだ民間の専門家を積極的に中途採用し、生え抜き公務員との混成チームで業務にあたる体制を採っている。従来の官庁にはなかったスタイルであり、利用者の目線やシステムの現場感覚を行政に取り込む狙いがある。一方、システム障害やデータの誤登録が発覚した時期もあり、縦割り構造が根強い中で複数省庁の調整役を担う難しさも指摘されている。
設立の背景には、日本の行政が長年にわたり紙・対面を前提とした仕組みに依存してきたことへの反省がある。省庁ごとに個別構築されたシステムは互換性に乏しく、データの連携が難しい状態が続いていた。2020年の新型コロナウイルス感染拡大では、給付金配布や接触確認アプリの運営においてデジタル対応の遅れが広く露呈し、一元的な調整機能を持つ専門省庁の必要性が一気に高まった。2021年5月に関連法案が成立し、2021年9月1日に発足した。