デジタル万引き

概要

デジタル万引きとは、書店やコンビニエンスストアなどで雑誌や書籍を立ち読みして、目当てのページをスマートフォンなどのカメラで撮影して保存する行為。迷惑行為だが明文で禁じる法律は存在しない。

店に対価を支払わずに売り物である書籍の内容を取得する行為であるため、店頭から商品を持ち去る「万引き」になぞらえてこのように呼ぶ。カメラ付き携帯電話が一般に普及し、こうした行為が問題になりはじめた2004年に日本雑誌協会が提唱した造語とされる。

店や版元にとって迷惑行為であることは疑いようがなく、業界団体や書店がポスターなどを通じてこうした行為を控えるよう啓発するキャンペーンを行っている。法律上は明文で禁じる規定はなく、撮影内容をSNSに投稿するなど第三者に提供しなければ著作権法上の私的複製に該当し違法性はないとされる。

ただし、店員に露見し中止や退去を求められたのに無視して続行するなどした場合は、民事上の損害賠償を求めたり建造物侵入罪に問うことは可能とする見解もある。撮影行為それ自体が窃盗罪など犯罪に該当するとは言えないため、「万引き」という例えは行きすぎだとの指摘もあり、日本雑誌協会はこの用語の使用を控えている。

(2024.8.31更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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