ディレイ【delay】
概要
ディレイとは、信号や処理、動作などを意図的に一定時間遅らせること。電子回路や音響、ビデオゲームなど様々な技術分野で使われる。日常語としては交通機関の遅れなどを指すこともある。

“delay” は遅れ、遅延を意味する英単語である。技術分野では、システムや処理に対して人為的に加える時間的なずれを指す場合が多く、意図せず生じる遅れとは区別される。
電子回路や制御システムでは、信号の伝達や動作の開始を所定の時間だけ遅らせる処理をディレイという。スイッチ入力から動作開始までに一定の間隔を空けることで、電流の不安定な状態(チャタリング)による誤作動を防いだり、複数の処理の実行順序を調整したりする目的で用いられる。
音響分野では、入力された音を短い時間だけ遅らせて原音に重ねて出力する効果をディレイという。山びこのような反響音や、空間的な広がりを持つ残響音に似た効果が得られ、音楽制作やライブ演奏で利用される代表的なエフェクターの一つである。
ビデオゲームの分野では、二つの意味でディレイという語が用いられる。一つは攻撃などの動作タイミングをあえて遅らせる戦術的なテクニックで、相手の反応を誘う格闘ゲームの駆け引きなどに見られる。もう一つは、技を使用した後に次の行動へ移れるようになるまでの硬直時間を指す。
なお、通信においてデータが発信元から送信先に届くまでの遅延時間は「レイテンシ」(latency)、ゲームなどで操作が画面に反映されるまでに生じる遅れは「ラグ」(lag)と呼ばれ、いずれもディレイとは区別される。これらは通信回線の特性や処理負荷によって意図せず生じる遅れであり、意図的に設けるディレイとは性質が異なる。
(2026.6.29更新)