チャネルボンディング【channel bonding】
チャネルボンディングとは?

一般的なデータ通信では、一本の通信ケーブルや、一つの無線周波数に信号を乗せてデータを送受信する。このような単一の伝送路(チャネル)が運べるデータ量には限りがあるが、複数のチャネルを同時に使ってデータを分散して流せば、全体としての通信速度(スループット)を高めることができる。
道路に例えるなら一車線の道を複数車線に広げるようなもので、チャネルボンディングはこの仕組みを通信技術として実装したものである。送信側がデータを複数の経路に分割して発信し、受信側が順序を保ちながら再構成することで、あたかも全体で一つの高速な伝送路のように扱うことができる。
無線LAN(Wi-Fi)では、IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)以降の世代でこの技術が標準的に使われるようになった。20MHz幅のチャネルを2つ結合して40MHzとして扱えば、理論上の速度は約2倍になる。Wi-Fi 5やWi-Fi 6ではさらに80MHzや160MHzまで束ねる構成が可能で、高解像度動画の視聴や大容量ファイルの転送をスムーズに処理できる。束ねるチャネルが増えるほど占有する周波数帯域も広がり、近隣の無線機器との干渉が生じやすくなる。混雑した環境では、むしろ通信品質が下がることもある。
有線通信では、複数のネットワークインターフェースおよびLANケーブルを論理的に束ねて一つの伝送路として扱う「リンクアグリゲーション」がこれに対応する技術である。企業などの大規模ネットワークでネットワークスイッチ間の接続などに用いられる。同一経路の通信容量の増強に加え、ケーブルのうち一本が断線しても通信を継続できる耐障害性も得られる。