タイムチャート【timing diagram】タイミングチャート

概要

タイムチャートとはデジタル回路の設計などに用いられる図の一つで、複数の信号線の論理状態が時間の経過と共にどのように変化するかを表したもの。横軸に時間、縦方向に信号線を配置し、各信号の高低を波形として描くことで、動作の順序や信号間の時間的な関係を視覚的に確認できる。
タイムチャートのイメージ画像

デジタル回路の信号は「H」(High/1)と「L」(Low/0)の二値で表され、タイムチャートではその変化を凹凸のある横線として描く。クロック信号を基準に、入力や出力、制御信号などを縦に並べて示す。

ある信号の変化が別の信号の変化を引き起こすデジタル回路では、どの信号がどのタイミングで切り替わるかが設計の核心となる。タイムチャートを使うことで、信号の立ち上がり­や立ち下がり­の順序、信号が確定するまでの時間的な余裕といった、回路の内部動作を視覚的に追うことができる。フリップフロップレジスタを用いる順序回路では、セットアップ時間ホールド時間といった時間条件の確認にも欠かせない。

回路の設計段階では、意図した動作をタイムチャートとして先に定義し、それに合致する回路を組み上げるという手順が一般的である。完成後の検証においても、オシロスコープやロジックアナライザで実測した波形とタイムチャートを照合することで、設計通りに動作しているかを確認できる。マイクロコントローラメモリのデータシートにも、読み書きの手順や信号間に必要な時間関係を示す目的でタイムチャートが掲載されることが多い。

タイムチャートはデジタル回路設計以外にも利用される。PLCによるシーケンス制御では入出力機器の動作順序の確認や設計者と保守担当者の間での共有に用いられ、組み込みシステムの開発でも複数の制御信号の切り替わり順序を把握する際に活用される。時間を基準として各信号の変化を一つの図にまとめられるため、回路図や状態遷移図だけでは捉え難い動作の流れを理解しやすくする表現手法として広く定着している。

(2026.7.15更新)
 

資格試験などの「タイムチャート」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
令8公】 図の回路のA及びBに信号を入力したときに,Yに出力される信号のタイミングチャートとして,適切なものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。