ソリューションビジネス【solution business】
ソリューションビジネスとは?

かつてのIT業界では、パソコンやサーバ、業務ソフトウェアといった個別製品の開発・販売が中心だった。ソリューションビジネスでは、顧客の業務フローや組織体制を詳細にヒアリングして根本的な課題を特定し、それに適したシステム全体を設計・構築して提供する。単品の製品販売とは異なり、顧客との関係は長期にわたる。
提供のプロセスは、業務分析による課題抽出から始まり、システム設計、機器調達、ソフトウェア開発、システム構築、実運用へと続く。導入後も運用監視、障害対応、利用者教育、機能追加といった継続的な支援を行う契約形態が一般的である。これにより顧客は、製品選定や専門人材の確保といった手間や固定費を省き、コア業務に専念できる。
契約形態としては、初期の導入費用に保守・運用の月額費用を組み合わせる形が広く用いられてきた。近年はクラウドサービスの普及により、初期費用を抑えた月額固定型や従量課金型の提供も増えており、継続的な収益が見込めるストック型の構造になりやすい。また、提案段階から営業担当者だけでなくシステムエンジニアやコンサルタントが関与し、機器メーカーや通信事業者、ソフトウェア開発会社などが連携して案件を進める場合もある。
このモデルが広まった背景には、IT環境の複雑化と競争環境の変化がある。1980〜90年代に米IBM社をはじめとする大手コンピュータメーカーがハードウェアの価格競争から脱却する戦略として、商品のサービス化、ソリューション化を推進したことが始まりとされる。
その後、技術の高度化とインターネットの普及により、事業会社が自力で最適な情報システムを構築・維持することがますます困難になり、また、IT投資に対して確実な業務改善や投資対効果を求めるようになったことも後押しした。現在ではITに限らず、建設や金融など多くの産業でソリューション営業、ソリューション提案という考え方が取り入れられている。