セルフパワー 【self-powered】

概要

セルフパワー(self-powered)とは、機器への電力供給方式の一つで、ACアダプタ電源コードなど電力専用の配線や装置を用いる方式。通信線で給電する「バスパワー」(bus powered)の対義語。

USBなど通信ケーブルで電力を供給する機能のある技術や装置で用いられる分類で、通常の電気製品やコンピュータ製品と同じように、通信用ケーブルとは別に電源ケーブルを用意してコンセントから電力を供給する。

これに対し、通信用の配線でコンピュータなど接続先の機器から電力の供給も受ける方式を「バスパワー」(USBの場合は「USBバスパワー」)という。バスパワー方式は供給される電力に制限があるため、電力消費の多い機器などでセルフパワーが用いられる。

キーボードマウスなど微小な電力で動作する機器は古くからバスパワーで動作してきたが、各種の外付けドライブディスプレイプリンタイメージスキャナなどの大型の機器や消費電力の大きい機器はセルフパワーが一般的だった。

USBバスパワー規格は段階的に拡張されてきており、USBバスパワーではDVDドライブや外付けSSDなどの駆動が可能となっている。さらに、後継のUSB PD規格では電源ケーブルと遜色ない給電が可能で、セルフパワーが一般的だった機器もコンピュータから給電できるようになりつつある。

(2024.8.21更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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