スーパーアプリ【super app】
スーパーアプリとは?

スーパーアプリの仕組みを支えるのが「ミニアプリ」(ミニプログラム)と呼ばれる軽量なサブアプリケーションである。外部の事業者が開発したミニアプリをプラットフォーム上に展開することで、自社開発のコストを抑えながらサービスの幅を急速に拡張できる。利用者はアプリを個別にインストールする手間なく、様々なサービスにアクセスできるようになる。
このアプリ形態が最も普及・発展したのは中国で、テンセント(腾讯)の「微信」(WeChat)や、アリババ(阿里巴巴)の「支付宝」(Alipay)が広く知られている。WeChatはメッセージアプリを出自としながら、キャッシュレス決済や行政手続き、医療予約など数百万のミニアプリを抱える巨大プラットフォームへと発展した。東南アジアでも「Grab」や「Gojek」が同様のモデルを採用し、地域住民の生活インフラとして定着している。
スーパーアプリが普及した背景には、多くの消費者にとってスマートフォンが初めて接触するデジタル機器だった市場の特性があると言われる。パソコンなどの普及を経ることなく、いきなりモバイル端末が浸透した国・地域では、多機能を一元化したアプリへの需要が特に高かった。また、IDや決済情報を一か所に集約することで、事業者側は利用者の行動データを連携させやすくなり、パーソナライズやサービス改善に活用できたことも大きいとされる。
一方、日本や欧米では単機能アプリが根強く、大手事業者によるスーパーアプリ普及の試みはあったものの浸透は限定的であった。しかし、近年ではLINEヤフーや楽天などが金融サービスやECサイト、ポイントサービスをアプリ上で統合する方向へ進んでおり、スーパーアプリ的な方向性を再び試みる動きが広がりつつある。プライバシー保護やデータ独占、市場の寡占化や独占化への懸念などから、各国の規制当局が監視を強める動きも見られる。