スマートグラス【smart glass】
スマートグラスとは?

表示方式には、片方の視界にのみ映像を投影する「単眼式」と、両眼に表示する「両眼式」がある。小型ディスプレイを直接見る方式のほか、光学部品を通じてレンズ面に映像を重ねる方式もある。操作には音声コマンド、タッチパッド、視線追跡、ジェスチャーなどが用いられ、機種によって異なる。カメラやマイク、GPSなどを内蔵するモデルでは、撮影や通話、周囲環境の認識にも対応する。
現実の景色にデジタル情報を重ねる「拡張現実」(AR:Augmented Reality)技術と組み合わせて使われることが多く、利用者は視線を大きく動かさずに必要な情報を確認できる。通知確認やナビゲーション、翻訳支援、動画撮影といった消費者向け用途のほか、近年では生成AIや音声アシスタントとの連携機能を備えた機種も登場している。
産業・業務用途での導入も広がっており、倉庫での商品仕分け、工場での保守点検、医療現場での手術支援、建設現場での図面確認などに活用されている。遠隔地の作業者が映像を送信しながら指示を受けるといった使い方も普及している。両手が自由に使える環境は、こうした現場での作業効率に直結する。
技術的な課題としては、バッテリー駆動時間の短さ、処理性能と発熱のバランス、長時間装着による疲労感などがある。カメラを内蔵するモデルでは、周囲から撮影の有無が判断しにくいためプライバシーへの懸念も根強く、施設によっては着用や撮影を制限している場合もある。
開発は2010年代前半から本格化したが、当初の消費者向け展開は普及に至らず、産業用途を中心に市場が形成された。初期の製品は様々な部品を収納する都合上、フレームが太く一目で分かる形状をしていたが、近年ではディスプレイや光学系の小型化が進み、通常の眼鏡に近い外観の製品も増えている。