スピム【SPIM】メッセンジャースパム

概要

スピムとはインスタントメッセンジャーIM)を用いて営利目的などのメッセージを不特定多数の利用者に無差別に大量送信する行為。電子メールにおけるスパム(SPAM)行為のメッセンジャー版にあたり、宣伝広告のほか、フィッシング詐欺マルウェア感染を狙うサイバー攻撃の手段としても用いられる。
スピムのイメージ画像

LINEやWhatsAppTelegramなどのメッセージングアプリ、あるいはXやFacebook、InstagramなどSNSのダイレクトメッセージ(DM)機能を悪用し、一方的に宣伝メッセージを送信する。商品やサービスの広告、キャンペーンへの勧誘、偽の当選通知など、記載したWebサイトへのアクセスを促す内容が多い。

送信元を詐称して個人情報や認証情報を盗み取るフィッシング詐欺の手口としても使われる。金融機関やメッセージングサービスなどを装い偽サイトに誘導してIDやパスワードを入力させたり、悪意あるWebサイトへ誘導してマルウェア感染やアカウント乗っ取りを引き起こしたりするなど、詐欺や不正アクセスの入り口として悪用されるケースが目立つ。

自動送信プログラムボット)を用いて大量のアカウントを作成し、無作為に選んだIDや連絡先へ送信を繰り返す手法が一般的である。友人や既存の連絡先になりすましたアカウントから送られてくる場合もあり、通常のメッセージと区別がつきにくい。近年では組織内のビジネスチャットツールを標的とし、業務連絡を装って従業員を欺く手口も確認されている。利用者がリアルタイムで通知を確認しやすく、リンクを開く心理的な抵抗が低いという特性が悪用されやすい一因とされる。

スピムという概念自体は2000年代初頭から存在しており、当時はMSNメッセンジャーやAOL Instant Messenger(AIM)といったパソコン向けのIMサービスで問題視されていた。その後、スマートフォンの普及とともに主な舞台はモバイル向けメッセージングアプリやSNSのダイレクトメッセージへと移り、現在も形を変えながら確認されている。

対策としては、心当たりのない相手や不自然なリンクを含むメッセージに反応しないことが基本となる。多くのアプリには、非フォロワーや未登録利用者からのメッセージ受信を制限する設定や、不審な送信者をブロック・通報する機能が備わっており、これらの活用も有効である。加えて、パスワードの適切な管理や二段階認証の設定も、アカウント乗り取りのリスクを減らす上で役立つ。サービス提供側でも、送信頻度の制限や迷惑メッセージの自動検出、不正アカウントの停止といった対策が進められている。

(2026.9.2更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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