読み方 : ストローブしんごう

ストローブ信号【strobe signal】

概要

ストローブ信号とは、データの読み取りや書き込みのタイミングを示すために用いられる制御用の信号。電子回路や装置が正しい瞬間に処理を行うよう同期を取る役割を担う。
ストローブ信号のイメージ画像

電子回路や電子基板の中では、膨大なデータ電気信号としてやり取りされているが、それぞれの信号は配線の長さや電気的な特性の違いにより、到着する時間にわずかなズレが生じる。もし受け取り側がバラバラなタイミングで値を読み取ってしまうと、まだ変化途中の不安定なデータを拾ってしまい、誤作動の原因となる。

ストローブ信号は、正確に信号を伝達するため、読み取りのタイミングを指示するのに用いられる。例えば、メモリからデータを読み出す際には、アドレスや制御線が安定した後にストローブ信号が変化し、その瞬間のデータが有効であることを受信側に通知する。これにより、信号の立ち上がりや伝搬遅延による誤読を防ぎ、安定した動作が実現される。

“strobe” とは「ストロボ」のことであり、カメラのストロボ(フラッシュ)と役割が似ていることからこのように呼ばれる。暗闇の中で被写体が動いていても、一瞬の強い光が当たった瞬間の姿だけが鮮明に記録されるのと同様に、ストローブ信号は刻々と変化する電気信号の中から「正しい状態」を切り出す役割を担っている。

なお、ストローブ信号はクロック信号とは異なり、必ずしも周期的に繰り返されるものではなく、特定の操作やイベントに応じて発生する場合が多い。非同期通信や外部デバイスとのインターフェースでは、クロック信号を共有しない環境でもデータの有効タイミングを示す手段として利用される。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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