スタートビット【start bit】
概要

通信を行っていない間、信号線は一定の電圧レベル(一般的にはHigh)に保たれている。送信側がデータを送り出す直前、この信号線を1ビット分の時間だけ反対のレベル(Low)に切り替える。この変化がスタートビットで、受信側は電位の変化を検知して受信の準備に入る。
受信側はスタートビットを検出すると、あらかじめ取り決められた通信速度(ボーレート)に基づき、一定の時間間隔で信号線の状態を読み取っていく。これによって同期用のクロック信号を別途用意しなくても、続くデータビットを正しい位置で取り込める。データの送信が終わると、区切りを示す「ストップビット」(stop bit)が付加され、受信側は次のスタートビットの到来に備えて待機状態に戻る。
調歩同期式通信では、スタートビットに続いてデータ本体のビット列が送られ、必要に応じて誤り検出用のパリティビットが加えられた後、最後にストップビットが置かれる。データビットの長さは7ビットや8ビット、ストップビットの長さは1ビットや1.5ビット、2ビットなど、複数の設定項目があり、これらは通信を行う機器同士であらかじめ一致させておく必要がある。設定が食い違うと、信号自体は届いていてもデータを正しく解釈できず、通信エラーとなる。
このような仕組みにより、送信側と受信側は文字を送るたびにタイミングを合わせ直すことになる。両者のクロックに多少のずれがあっても、1文字分の短い時間内であれば誤差はわずかに留まり、通信全体としては正確にデータをやり取りできる。パソコンの周辺機器接続や産業用機器の制御などで使われてきたRS-232CやUARTなどの通信方式で用いられている。
(2026.8.29更新)