スイープ【sweep】スイーピング/sweeping

概要

スイープとは、「掃く」「一掃する」などの意味を持つ英単語。IT分野では、定められた範囲を端から端まで順番に走査しながら対象を調査したり処理したりする操作を指すことが多い。分野や扱う対象、状況によって具体的な意味は異なる。

ネットワーク管理におけるスイープ

ネットワーク分野では、IPアドレスポート番号などを一定の範囲で連続的に変化させながら、それぞれに信号を送信し、応答が返ってくるかどうかを確認する操作をスイープという。一つ一つの対象に個別に問い合わせるのではなく、範囲全体を機械的に調べることで、稼働中の機器や開いている接続窓口を効率良く洗い出すことができる。指定した範囲内のIPアドレスへ順にpingを送る「pingスイープ」や、特定のホストの多数のポートへ次々と接続を試みる「ポートスイープ」などがある。

ネットワーク管理者は、自社のネットワークに接続された機器の一覧を作成したり、不要なサービスが稼働していないかを点検したりする際にこうした走査を利用する。一方で、攻撃者が標的のネットワーク構成や侵入の足がかりとなる機器を事前に調べる目的で同様の手法を用いる場合もある。このため、ファイアウォール侵入検知システムには、短時間に多数のアドレスやポートへの問い合わせが集中した際にスイープによる調査とみなして警告を出したり、該当する通信を遮断したりする設定が施されることが多い。

メモリ管理におけるスイープ

メモリ管理の分野では、ガベージコレクションの代表的な方式である「マーク・アンド・スイープ法」がよく知られる。この方式では、まず利用中のメモリ領域に目印を付ける「マーク」フェーズを行い、その後にメモリ空間全体を順番に走査して目印のない領域を不要な部分とみなして解放する「スイープ」フェーズを実行する。これにより、どこからも参照されなくなった領域が回収され、再び利用可能な状態に戻される。この処理を通じて、メモリの空き容量が確保される。

他の分野におけるスイープ

電子工学や通信工学の分野では、測定器が周波数や電圧などの値を一定の範囲で連続的に変化させながら信号を発し、そのときの回路の特性や電波の状態を測定する操作を「スイープ」と呼ぶ。画面上で光点や走査線が端から端へ移動する挙動もこれに該当する。

コンピュータグラフィックス分野では、走査線を画面上で端から端へ移動させながら図形の交差判定や描画を行う「スイープライン法」がよく知られている。暗号資産­分野では、複数の口座やアドレスに分散した残高を、手数料の効率化や管理の統合を目的に一つのアドレスへまとめて転送する手続きを「スイープ」と呼ぶことがある。情報セキュリティ分野では、アンチウイルスソフトなどがストレージ内を巡回して有害なプログラムを検査する動作を「スイープ」と呼ぶことがある。

(2026.6.12更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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