シリコンサイクル 【semiconductor cycle】 半導体サイクル
概要
シリコンサイクル(semiconductor cycle)とは、半導体業界に特有の構造的な景気循環のことで、約4年周期で好況と不況を繰り返すサイクル。半導体産業は過去数十年に渡り全体としては大きな成長を続けているが、半導体製品、半導体製造装置などの市況は2年前後の需要の強い好況期と、続く2年ほどの供給過剰な不況期を周期的に繰り返している。
デジタル機器の市場が拡大して供給が需要に追いつかない好況期が訪れると、半導体メーカーは一斉に生産設備の増強を行うが、生産が軌道に乗るのは1年半から2年後となるため、同時期に各社から大量の製品が供給され一気に値崩れが起き調整局面に入ると考えられている。
背景には半導体の製造設備に巨額の投資が必要なことがあり、メーカーとしては巨額の固定費を無駄にしないため、少しでも稼働率を高めて生産量を増やし、製品単価あたりのコストを引き下げようとする誘引が働く。半導体技術は進歩が速く製品や設備はすぐに競争力を失ってしまうため、なかなか長期的視野で生産量を調整するのは難しいとされる。
(2018.10.31更新)