ショールーミング 【showrooming】

概要

ショールーミング(showrooming)とは、消費者の行動を表す用語の一つで、実店舗で製品の品定めを行い、購入する製品が決まったらその店では買わずに、安値を提示しているオンラインショップで購入すること。

製品の購入を思い立った消費者が実際の店舗に赴いて各社の製品の比較や試用、販売員への相談などを行い、購入する製品が決まったら買わずに帰宅する。そして、ネットで価格比較サイトや行きつけのオンラインショップなどを巡り、実店舗より安値を提示しているサイトで購入する。

家電やコンピュータ関連製品など、実際の店舗でもネットでも同じように販売しており、購入前に価格や機能などをある程度慎重に吟味するような製品に関してよく見られる行動とされる。従来型の小売店にとっては大きな打撃となっているが、このような行動を直接抑止することはできないため頭の痛い問題となっている。

一方、ショールーミングとは逆にオンラインショップで商品の品定めを行い、実際の購入は実店舗に出向いて行うという消費者行動もあり、「ウェブルーミング」(webrooming)と呼ばれる。オンラインでは送料がかかったり、商品の配達までに時間がかかるような場合に、近所の実店舗ですぐに安く手に入れようとする行動である。

ショールーミングに対する効果的で確実な対策は知られていないが、競争力のある低価格を提示したり、実店舗限定販売の商品を充実させるといった施策が行われている。また、商品の試着や試用などに一定の預り金を取って店舗で購入した顧客に払い戻したり、自社のECサイトでの購入を積極的に促すなどの試みも見られる。

(2024.6.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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