ザックマンフレームワーク【Zachman framework】

概要

ザックマンフレームワークとは、企業や組織の情報システムや業務構造を体系的に整理・記述するためのエンタープライズアーキテクチャの枠組みの一つ。システムや業務を複数の観点から分類して整理することで、組織全体の構造や関係を理解しやすくする。
ザックマンフレームワークのイメージ画像

1987年に米IBM社の情報システム研究者ジョン・ザックマン(John A. Zachman)氏が提唱したもので、エンタープライズアーキテクチャEA)分野における先駆的な枠組みとして知られている。企業の構造を理解するために複数の視点と複数の対象領域を組み合わせたマトリックス(表)を用いる。

表の縦軸には組織に関わるステークホルダー(関係者)の視点が並び、上から順に「プランナー」(経営視点)、「オーナー」(業務視点)、「デザイナー」(システム視点)、「ビルダー」(技術視点)、「サブコントラクター」(実装視点)、「エンタープライズ」(実際に稼働するシステム)という6つの行が設けられる。横軸には「何を」(データ)、「どのように」(機能)、「どこで」(ネットワーク)、「誰が」(組織)、「いつ」(タイミング)、「なぜ」(動機)という6つの問いの列が配置される。

この縦横の組み合わせによって36のセル(記入欄)が生まれ、それぞれが特定の視点から特定の側面を記述したアーキテクチャ成果物に対応する。例えば、「オーナー」視点での「何を」のセルは業務概念モデルに相当し、「ビルダー」視点での「どのように」のセルプログラムの設計仕様に対応する。

ザックマンフレームワークが重視するのはシステムの全体像を多角的な視点から漏れなく記述することである。どの視点、どの側面の記述が欠けているかを把握しやすくなるため、複雑な企業システムの設計や既存システムの整理、見直しにおいて参照されることが多い。「TOGAF」や「DoDAF」といった他のEAフレームワークと並んで参照される機会も多いとされる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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