サーマルスロットリング【thermal throttling】

プロセッサは処理速度が速いほど消費電力が増加し、それに比例して発熱量も大きくなる。冷却が追いつかず温度が一定の閾値を超えると、プロセッサ自身が搭載する温度センサーがこれを検知し、動作周波数や電圧を段階的に引き下げる。これをサーマルスロットリングという。熱による誤作動や物理的な破損を未然に防ぐための自律的な安全機構である。
サーマルスロットリングが発動すると処理能力が低下するため、動画のレンダリング時間の増大、ゲームのフレームレート低下など、性能が低下する。ノートパソコンや小型デバイスは筐体が薄く冷却機構に制約があるため、デスクトップパソコンと比較してサーマルスロットリングが発生しやすい傾向にある。
サーマルスロットリングが起きやすい状況として、冷却ファンの故障や埃の堆積による通気不良、室温が高い環境での使用、過剰なオーバークロック設定などが挙げられる。適切なヒートシンクや冷却ファンの維持管理、サーマルグリスの定期的な塗り直しといった対処によって、発生頻度を下げることができる。
なお、サーマルスロットリングはあくまで最終的な保護手段であり、頻繁に作動する状況は冷却系統の見直しが必要なサインである。パフォーマンス監視ツールを使えば温度や動作クロックをリアルタイムで確認できるため、状態の把握と早期対応に役立てることができる。