読み方 : サージ電流

サージ電流

サージ電流とは?

電気回路や電子機器に瞬間的に流れ込む、通常の動作状態では想定されない過大な電流のこと。持続時間はマイクロ秒からミリ秒程度と極めて短いが、電流値は定格の数倍から数十倍に達することがあり、機器の誤動作や故障、部品の損傷を引き起こす原因となる。
サージ電流のイメージ画像

落雷による誘導、電力系統の切り替え、モーターやスイッチの動作時など、電流が急激に変化する場面でサージ電流が生じることがある。電源投入の直後にも生じることがあり、コンデンサを備えた電源装置では起動時に内部コンデンサへ一気に充電が行われるため、一時的に大きな電流が発生する。白熱電球でも点灯直後はフィラメントの抵抗値が低く、定常時より大きな電流が流れる。このような電流は「突入電流」とも呼ばれる。

サージ電流が過大になると、配線や部品の発熱、ヒューズの溶断、半導体素子の損傷などを引き起こす。即座に破壊されない場合でも、微小なダメージが蓄積して製品寿命を縮めたり、誤動作を誘発したりすることがある。落雷によって電力線や通信線に高電圧が誘導されると近隣に大規模なサージ電流が流れ、ネットワーク機器や家電製品が故障することがある。

対策としては、電流の急激な増加を抑えるサーミスタや抵抗器の利用、異常電圧を逃がす避雷器やサージ保護素子の設置などがある。パソコン向けの電源タップにもサージ防護機能を備えた製品があり、主に落雷の影響を軽減するために用いられる。電子回路の設計では、通常動作時の電流値だけでなく起動時や異常時のサージ電流も考慮する必要があり、半導体部品には耐えられる瞬間電流の上限が定められているため、安全余裕を見込んだ部品選定が必要となる。

電力分野では、発生原因によって「雷サージ」と「開閉サージ」に区別される。雷サージは落雷や誘導雷によるもので、広範囲に影響が及ぶ場合がある。開閉サージはブレーカーやスイッチの操作、大型機器の起動・停止に伴って発生する。コイルを含む機器ではインダクタンスの作用により電流変化時に高電圧が生じやすく、これが回路内の異常電流につながることがある。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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