読み方 : コンポジットこうぞうず

コンポジット構造図【composite structure diagram】複合構造図

概要

コンポジット構造図とはUML統一モデリング言語)で用いられる構造図の一つで、クラスコンポーネントの内部構造を表現する図法。ある要素の内部に含まれる部品同士の関係や、外部とやり取りする接点を視覚化するために用いられる。
コンポジット構造図のイメージ画像

内部を構成する要素は「パート」(part)と呼ばれ、内包するクラスが実行時に果たす役割を表す。自動車を表すクラスの内部にエンジンや車輪をパートとして配置するなど、階層的な構成の記述に対応する。パート自体がさらに内部構造を持つ場合もある。

パート同士の通信は「コネクタ」(connector)と呼ばれる線で表され、どの要素がどの要素と関係しているかを示す。外部との接点や内部要素間の境界には「ポート」(port)を配置でき、提供する機能と必要とする機能をインタフェースとして表現し、情報やサービスのやり取りを記述することも可能である。

似た図法の「クラス図」がクラス同士の関連というシステム全体の静的な構造を表すのに対し、コンポジット構造図は一つのクラスコンポーネントの内部に踏み込み、そこに含まれる部品の構成や接続関係に焦点を合わせる。クラス図で全体の構成要素を大まかに示した上で、特定の要素の内部を詳しく記述する用途で併用されることが多く、単一のクラス図だけでは内部の組み立て方やカプセル化の状態を表現しづらい場合に活用される。

この図法はUML 2.0で新たに導入されたもので、パーツ間やポート間の接続関係を通じて、内部の複雑な処理手順を外部から隔離したまま協調動作させる仕組みを示すことができる。電子回路基板において、基板上の端子と内部チップが配線で結ばれている状態を模した視覚化手法とも説明される。大規模で複雑なシステムの内部設計を関係者間で共有し、モジュールカプセル化状態を確認するレビューの工程などで活用されている。

(2026.8.29更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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