コンパレータ【comparator】比較器

別名  :比較回路/比較関数

概要

コンパレータとは二つの信号や値を入力し、その大小関係や一致・不一致を判定して結果を出力する回路や仕組み。電子回路においては二つの電圧を比較する素子を指し、プログラミングにおいては要素の順序を定義する関数を指す。

比較回路

電子回路のコンパレータは二つの入力端子を持つ。一方に基準電圧、もう一方に測定対象の電圧を加え、前者を上回ればハイレベル(H)、下回ればローレベル(L)の信号を出力する。アナログ信号をデジタル信号へ変換する基本的な回路として機能する。

構造や回路記号はオペアンプ(演算増幅器)と共通点が多く、負帰還をかけずに動作させたオペアンプはコンパレータとして働く。オペアンプが信号の直線的な増幅を目的とするのに対し、コンパレータは入力の大小を高速に判定する用途に最適化されており、実用上は専用ICが選ばれることが多い。応答速度の違いが両者を使い分ける主な判断材料となる。

用途としては、電源電圧の異常を検知する監視回路、温度や光の変化を検出するセンサー回路、交流信号のゼロクロス検出、パルス波形の生成、アナログデジタル変換器(ADC)の内部回路などがある。連続的に変化するアナログ信号から条件を満たした瞬間だけを取り出せるため、電子制御装置や計測装置、自動車、産業機器、通信機器など様々な分野で利用されている。

入力電圧がしきい値付近で細かく変動すると出力が短時間に何度も切り替わる現象が起こりやすい。この誤動作を防ぐため、切り替えの基準を二段階に設けた「ヒステリシスコンパレータ」(hysteresis comparator/シュミットトリガ)という構成も広く用いられている。

比較関数

プログラミングの分野では、二つの引数を受け取り、前者が大きければ正の値、後者が大きければ負の値、両者が等しければゼロを返す関数やオブジェクトをコンパレータと呼ぶことがある。配列の要素を並べ替えるソート処理や検索アルゴリズムで用いられ、数値や文字列の標準的な昇順降順に限らず、オブジェクトの特定の属性に基づいた独自の並べ替え規則を定義する際に活用される。

(2026.7.21更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。