グリーントランスフォーメーション【GX】Green Transformation

概要

グリーントランスフォーメーションとは、化石燃料中心の経済・社会構造をクリーンエネルギー中心へと転換し、産業競争力の向上と脱炭素社会の実現を両立させる変革のこと。環境対策を単なるコストではなく、成長の機会と捉える戦略である。
グリーントランスフォーメーションのイメージ画像

この変革の背景には、気候変動問題への対策として二酸化炭素の増加量をトータルでゼロに抑える「カーボンニュートラル」の目標がある。企業は単に二酸化炭素の排出量を削減するだけでなく、エネルギー消費のあり方そのものを見直し、太陽光や風力といった再生可能エネルギーへの転換を加速させている。製造工程の電化や水素エネルギーの活用、さらには排出された炭素を回収・貯留する技術の導入など、多角的な技術革新がその中心的な役割を担っている。

GXは特定の企業や産業に限った取り組みではなく、サプライチェーン全体に及ぶ大きな潮流となっている。製品のライフサイクル全体に渡って二酸化炭素排出量を捕捉する「カーボンフットプリント」により、原材料調達から製造、流通、廃棄に至るすべての過程において環境負荷を低減させることが求められている。単なる環境対策に留まらず、事業モデルそのものの変革を伴う。

投資家や金融機関も、企業のGXへの取り組みを評価指標の一つとして重視しており、環境に配慮した事業に対して優先的に融資を行う「グリーンファイナンス」の動きが活発化している。環境への配慮が欠けている企業は、資金調達や市場競争において不利な立場に置かれる可能性が高まっている。政策面では、炭素税や排出量取引制度、補助金や税制優遇などの措置が検討あるいは導入されている。日本でも政府が「GX実行会議」を設置し、中長期的なエネルギー転換や産業競争力の強化を掲げている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。