クロスリージョンレプリケーション【CRR】Cross-Region Replication

クロスリージョンレプリケーションとは?

クラウドサービスにおいて、データを地理的に離れた複数の拠点(リージョン)に自動的に複製・同期する仕組み。自然災害や戦争など同じ地域のデータセンター群が広域的に機能不全に陥ってもシステムやサービスを保全することができる。
クロスリージョンレプリケーションのイメージ画像

大手クラウドサービスでは世界各地にデータセンターが設置されており、複数の施設が置かれた地域的な括りを「リージョン」(region)と呼ぶ。通常、データは利用者が指定した一つのリージョンに保存されるが、クロスリージョンレプリケーションを設定すると、別のリージョンにも同じデータのコピーが自動的に作られ、常に最新の状態に保たれる。複製先は同じ国内の別の地域である場合もあれば、別の国の場合もある。

この仕組みが活用される主な理由の一つは、災害対策である。地震や洪水などで地域が広域的に被害を受け、データセンター群全体が停止しても、別リージョンの施設に保存されたコピーからサービスを継続できる。企業の重要なデータを守る手段として、金融機関や医療機関など、停止が許されないシステムで広く採用されている。

もう一つの用途は、アクセス速度の改善である。利用者の近くにあるリージョンからデータを提供することで、通信の遅延を減らせる。世界中に利用者を持つWebサービスでは、世界規模で広域的にデータを分散させることで、どの地域の利用者にも快適な速度でコンテンツを届けられる。

複数のリージョン間でデータを同期する際には、わずかながら時間差が生じることがある。「結果整合性」と呼ばれる弱い整合性しか確保されないため、厳密なリアルタイム同期が必要な用途では設計上の注意が求められる。複製先が増えるほどコストも上がるため、どのデータを、どのリージョンに複製するかを適切に設計することが求められる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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