読み方 : クロスセクションぶんせき
クロスセクション分析【cross-sectional analysis】
概要
クロスセクション分析とは、ある時点における複数の対象を横断的に比較し、属性や指標の違いを明らかにする分析手法。時間の推移ではなく、同一時点での差異に着目する。

時間軸に沿って変化を追う「時系列分析」とは対照的に、特定の瞬間を切り取った「横断面」に焦点を当てる手法である。例えば、ある年における各国のGDPや失業率を比較したり、同時期の企業ごとの売上高や利益率を分析する場合が当てはまる。これにより、地域間や組織間の構造的な違いや相関関係を把握することができる。
マーケティング分野では、同一時点における顧客属性や購買行動を比較し、年齢層や地域別の嗜好の違いを分析する際に用いられる。医療や公衆衛生の分野では、特定時点での集団に対して疾病の有無や生活習慣を調査し、要因との関連性を検討する横断研究がこれに該当する。社会調査においても、ある時点で実施したアンケート結果をもとに、性別や職業別の意識の違いを分析する方法として利用される。
データ構造としては、複数の観測対象が行方向に並び、それぞれの属性や測定値が列方向に配置された形式をとることが一般的である。回帰分析などの統計手法と組み合わせることで、ある変数が他の変数に与える影響を推定することも可能である。ただし、ある特定時点のデータに基づいて解析するため、因果関係の推定には慎重な解釈が求められる場合がある。
まとめ
- クロスセクション分析は同一時点における複数の対象を横断的に比較し、属性や指標の差異を明らかにする分析手法で、時間変化ではなくある瞬間の違いに着目する。
- 各国のGDP比較や企業業績分析、顧客属性の違いの把握、医療・社会調査における横断研究など、様々な分野で活用される。
- 観測対象を行、属性を列とするデータ構造をとり、回帰分析などと組み合わせて関係性を検討する。因果解釈には注意が必要である。