クラスタソフト【cluster management software】

クラスタソフトとは?

複数のコンピュータを連携させてひとつのシステムとして動作させるソフトウェア。システムを構成する個々のコンピュータノード)の状態を常時監視しながら、障害検知、処理の引き継ぎ、負荷分散といった制御を自動的に行う。
クラスタソフトのイメージ画像

クラスタソフトは同じ機能・性能のコンピュータを複数束ね、外部から見てあたかも一台の高性能なコンピュータのように振る舞わせる。このようなコンピュータの集合体を「クラスタ」(cluster)という。各コンピュータでは通常のオペレーティングシステム(OS)とアプリケーションソフトが稼働し、処理の分担などはクラスタソフトが担当する。

代表的な用途の一つが高可用性クラスタHAクラスタ)の構築である。稼働中のノードに障害が発生した場合、クラスタソフトはその状態を検知し、待機系ノードへサービスやIPアドレスストレージ接続などを自動的に切り替える。この切り替えを「フェイルオーバー」という。データベースサーバ基幹業務システムなど、停止が許容されないサービスで広く採用されている。

もう一つの主要な用途は「負荷分散クラスタ」である。複数のノードリクエストを振り分けることで、単一サーバでは処理しきれないような大量のアクセスにも対応することができる。Webサービスや大規模な業務システムのように、アクセス数が変動しやすい環境に適している。

科学技術計算や機械学習など大量の演算を要する分野では、処理を多数のノードへ分担させる「並列計算クラスタ」が使われる。クラスタソフトはジョブスケジューリングやリソース割り当てを管理し、効率的な並列実行環境を提供する。スーパーコンピュータにも同様の構成が採用されている。

ノードの死活確認には、一定間隔で信号を送受信するハートビート監視がよく用いられる。応答が途絶えると即座に障害と判断し、切り替え処理を実行する。管理が自動化されているため、夜間や休日など管理者が不在でも迅速な対応が可能となる。製品としてはLinux向けの「Pacemaker」や「Corosync」、商用の「Veritas Cluster Server」、Windows環境向けの「Windows Server Failover Clustering」(WSFC)などがあり、クラウド環境では「Kubernetes」がコンテナを束ねるクラスタ管理ソフトとして機能する。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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