キャプティブ価格戦略 【captive product pricing】

概要

キャプティブ価格戦略(captive product pricing)とは、製品の価格戦略の一つで、主製品に特定の付随製品(消耗品など)が必要な場合に、主製品の価格を安く設定し、付随製品の販売で収益を挙げる戦略。

供給者は主製品を時に原価を割り込むほどの低価格に設定し、とにかく需要者が他社製品ではなく自社の主製品を選ぶよう努力する。一方で、主製品の使用に伴って繰り返し購入される付随製品は相対的に割高に設定し、主製品への投資やコストの回収、安定的な収益の獲得を狙う。

この戦略における付随製品を “captive product” と言うが、“captive” とは「捕虜」「人質」という意味で、主製品を購入すると対応した専用の付随製品を購入し続けなければならなくなる状況を、人質を取ることになぞらえている。他社製品を自由に組み合わせて使用できるような製品カテゴリーや市場ではこの戦略は機能しない。

キャプティブ価格戦略の事例として、プリンタと専用のインクカートリッジ、コピー機と専用のトナーカートリッジ、家庭用ゲーム機と対応ゲームソフト、カミソリと替刃、ウォーターサーバーと専用ボトル、カプセルコーヒーメーカーと専用ポッド、特定キャリア専用の携帯電話端末と通信料金などの関係がよく知られている。

(2022.2.16更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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